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一連の企業不祥事で見られる「特採」...

一連の企業不祥事で見られる「特採」...

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今年に入って神戸製鋼に続き、東レの子会社や三菱マテリアル子会社など日本を代表する素材メーカーで製品検査データによる改ざんが発覚し、衝撃が広がっています。

不正が発覚した会社ではいずれも「安全性に問題はない」と説明していますが、不正を行った東レ子会社の東レハイブリッドコードと三菱マテリアル子会社の三菱電線ではいずれも社長が更迭されていますし、そもそも長年にわたる不正が発覚した以上、その言葉に疑義が生じるのは避けられないと言われています。

相次ぐ老舗企業による不正の発覚に、日本ブランドの信用の失墜につながることを懸念する声も上がり始めています。

なぜここに来て日本の有名企業の不正発覚が相次いでいるのでしょう。

今までに起きた企業不祥事を整理してみましょう。時系列順に企業不祥事事件を列記してみました。

2015年3月・5月  東洋ゴム免震ゴム性能偽装事件
      5月  東芝不正会計事件
      7月  富士フィルム不正会計事件
     10月  旭化成建材基礎工事杭打ち記録転用データ改ざん事件
2016年   4月  三菱自動車燃費データ不正事件
      5月  スズキが燃費測定に関する不正事件
2017年   9月  日産無資格者感性検査事件
     10月  スバル無資格者感性検査事件
         神戸製鋼検査データ改ざん事件
     11月  東レ子会社検査データ改ざん事件
         三菱マテリアル子会社検査データ改ざん事件

こんなにあるのですね。どれも日本を代表する企業ばかりです。

この問題を解く中で、何度も登場してくるキーワードが「特採(トクサイ)」という言葉です。

特採とは「特別採用」のことで、何を採用するかというと「製品」です。その製品とは、製造において規格にあわないと判定されたものでも、不良品ではなくちゃんと使えるレベルのものだというものです。

日本の特殊な企業文化によるものですが、顧客の納期を重視して、顧客を限定するでしょうが、顧客が要求した品質は満たしていないが不良品とまではいえない製品については、一時的に出荷を容認する慣習の中で生まれたのが「特採」です。

出荷する製造業側の言い分として、納期や数量を勘案すれば「誤差の範囲」としているのです。

あくまでも規格不適合となっただけで、再審で判定が変更されたり、後工程で採用されるものもあるというのです。

「特採」には、そのまま使用できるもの、条件付きで使用するものがあるそうで、さすがにこれ以外は不採用として廃棄されます。

従って、企業側としては「特採」製品だからと言って「不正」という認識はないようです。安全性に影響はないという認識だからです。

この昔からあった商慣習が、メディアに大きく取り上げられたようです。

企業コンプライアンスに詳しい弁護士の郷原信郎氏は、「特採は最終製品の品質に影響を与えないことを前提とする一時的な措置であることが前提だったが、一流メーカーの中には自社ブランドに対する信頼に胡坐をかき、特採レベルの誤差についてはデータを改ざんする慣習が常態化していたところも少なからずあった。
それがここに来て、一気に露呈しているのだ。」と述べています。

郷原氏は、製品に安全性は確保されているので、商行為をそのまま「不正」という言葉に結び付けるのは、企業側に過剰なコンプライアンスを強いることになり、それが安全性は確保されているという自信のもとに、「不正」というレッテルを避けるためにデータ改ざんに走ったところもあると、一連の不祥事事件を振り返っています。

過去の不祥事事件の中には、安全性よりも経済面を重視した事例もあります。これは許されるものではないでしょう。

ただ、社会がコンポライアンスを厳重にとらえ、過剰ともいえるところまで企業側に求めているのではという指摘もわからなくはありません。

職人気質の技術者による経験や勘に基づいた製造過程を、客観基準で管理できるのかというこという疑問も残ります。

ただこれも、日本企業が国際化するうえで必要なプロセスと考えるべきなのでしょうか。

なにもデータ偽装や隠ぺいを容認している話ではありません。企業に厳しいコンポライアンスを求められるのは当然です。

ただ現場と法令とのギャップを考えるべきだとする意見もあります。こういう論点はマスコミ報道では見得てこないですね。一方的に大企業を責める報道しか見られませんからね。

ただ言えることは、この現場と法令のギャップがある限り、不正と呼ばれるものは、規模の大小にかかわらずなくならないということのようです。

商慣習と言われれば、それは業界の特殊性もあるでしょうし、最終的に安全性に問題がなければよいのですが、特別事例であったことが常態化することに危険性はないのかという疑問も出てきます。

神戸製鋼の場合は、ここまで述べてきた「特採」に関して、製造業には契約した品質・規格に満たない製品でも、取引先が了承すれば納入できる商慣行を悪用して、規格外と通知せず正規品と偽って納入していたとされています。

これは明らかに契約違反だという批判は免れないでしょう。

問題となったのは神戸製鋼のアルミ板で、安全性は確認されてはいるものの、受注と生産のバランスに問題はなっかたのか、つまり不正は、受注が増えすぎて生産が追い付かないことにより行われたのではと思ってしいます。

アルミの安全確認をした企業は

トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、スバル
JR東海、JR西日本
日立製作所

で、どれも自動車や鉄道などの輸送手段だけに、万が一のことを考えれば恐ろしいことになります。

東レの子会社はタイヤメーカーに「コード」と呼ばれる補強材を納入していましたが、タイヤメーカーが求める強度の規格値は「260以上」だったのに、実際に測ったら258だったようです。

製品を最終チェックする工場の品質保証室長は、この値を260に書き換え、「正規品」として出荷していた

1%にも満たない数字の差は「誤差」となるようです。

「これ、ちょっと規格を下回っちゃったんだけど、どうする?」
「仕方ないな。今から作り直すのでは納期に間に合わないから、そのまま納入してよ。その代わり、値段は安くしてもらうよ」

商取引におけるこれらの会話は、どうやら日常的だったようですよ...

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